あ、届いてたみたいだね。奈々菜、開けてみてよ。 「なになにー…バナナ？」 そうそう。皮ごと食べられる種類のやつだよ。一度食べてみたいって言ってたでしょ？ 「わお！ホントにリアリー！？」 誕生日だしね。たくさんあるから料理にも使ってみよっか。 「アイアムも手伝うYO！あ、その前に一本…」

言葉を失う奈々菜の手には、記子と美翠からの贈り物。 ３人の最高の瞬間の写真で、ピックを作ったのだ。 「ふふ…喜んでもらえて良かったです」 「最っ高だよ〜！ベリーベリーサンキューっ！」 勿体なくて使えないよぅ。という親友に、「そう言うと思って」とピックケースのペンダントをかけてあげた。

「見てみて〜」 あら綺麗なピアス。プロデューサーから？ 「うん。ターコイズだって。誕生石って言ってた」 へぇ…洒落たことするわね。 「記子、石言葉知ってる？」 有名どころは“成功”だけど…実は“神聖な愛”っていうのもあってね… まぁ、プロデューサーが知ってるとは思わな…どうしたの奈々菜？

くるくるとロングスカートを翻し、メイド姿の奈々菜が甲斐甲斐しく動き回る…主賓だよねキミ？ 「いやー、アイアムのためにいっぱい頑張ってるみんな見たらついつい」 にゃははと笑いながら僕の手を取って席に着かせる。 「Ｐちゃんには特別に、野々香お手製のバースデーケーキをあーんしてあげる！」

放課後になるなり奈々菜にひっぱられる。 「なーにプレゼントしてもらおっかな〜♪」 連れ回された果てに着いたのはギターショップ。本体は買えないぞ？ 「さすがにそこまでねだんないヨ！ピック一個プレゼントして！」 それでいいの？ 「Ｐちゃんが選んだのが欲しいの！」 …これはこれで責任重大だ。

「お誕生日おめでとうございます！」 「これ、わたしと美翠ちゃんから」 開けていい？の問いかけもそこそこに包みを解いていく奈々菜。中身を目にした瞬間… 「…アリガト」 と言ったきり押し黙る。 「記子さん…プレゼント気に入らなかったんでしょうか？」 「逆逆。嬉しすぎてフリーズしたみたい」

「野々香はお仕事でキスシーンあるって言われても、受ける？」 「お仕事なら…うーん…NGとは言わないけど…」 いやいや。君たちの意思はちゃんと尊重するから、嫌なら嫌って言っていいからね？ 「ふふっ、ありがとうございます。あ、でも…」 でも？ 「キス顔写真くらいなら…やってもいいかも？」

「みーなとっ、こっちこっち」 なぁに？ 「ちょっとここにアゴ載せてて」 テーブル？いいけど…どうして？ 「いいからいいから。しばらくそのままねー？」 って、いずみちゃん…行っちゃった。一体何が… ──ぷに。 …ぷに？ 「えへへ〜、ネコセンパイの鼻キス大成功！」 …… 「あ、気絶してる」

「みーなとっ、こっちこっち」 なぁに？ 「ちょっとここにアゴ載せてて」 テーブル？いいけど…どうして？ 「いいからいいから。しばらくそのままねー？」 って、いずみちゃん…行っちゃった。一体何が… ──ぷに。 …ぷに？ 「えへへ〜、ネコセンパイの鼻キス大成功！」 …… 「あ、気絶してる」