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#南風 1939 林芙美子の自伝風作品が目線と口調の協奏で艶やかに。「少し歩こうか」「映画でも観ましょうか」立ち上がる男女の間で「私、今日はよすわ」とトゲトゲしい田中絹江。他の男に捨てられながら佐分利信には救われる女の業深く、結句は通り一遍のメロドラマでない #渋谷実 采配の妙が知れる。 pic.twitter.com/nuVNn11CVW
#十日間の人生 1941 貧父のため択捉へ稼ぎに行く直前の田中絹代はその父の手紙に青ざめて走り出す。思い詰めて埠頭に立つ父、水鳥は一斉に飛び立つ。抒情を紡ぐ #渋谷実 の芸域に唸る。水難を傍観した高田浩吉と咎める井上正夫親子の無理解→共感の味。ほぼ出番のない巡査役で笠智衆イジりも忘れない。 pic.twitter.com/L3bLTaqEgf
#四人目の淑女 1948 出征前には友諠を結んだ音楽学校仲間ながらヨレヨレ復員姿で再会しては知らん顔の女たちが邪道に手にした金にモノ言わせると見事に靡く。GHQ真っ青の復古趣味を晒して拝金主義を難じても 笠智衆が下衆成金でも 狸面狐面の正装でダンスしても もはや驚きはしない。#渋谷実 だもの。 pic.twitter.com/RpueBKfrVV
#初恋問答 1950 病身の妹を案じて温泉宿主の山口淑子(←李香蘭)が女中を連れて上京、からの男女6人恋愛喜劇。戦後の憂いも思弁的台詞も芸術志向もほぼ皆無、#渋谷実 のヘンな剛腕展開だけでアプレ世代色模様を描き切る。自称発明屋&麻雀狂 佐分利信が胡散臭い。田舎女中 望月優子のブサキャラ最高。 pic.twitter.com/TIjSwxTyWl
#勲章 1954 世相は自衛隊結成直前。元陸軍中将がかつての部下に担ぎだされ再軍備の道筋へ...という軍人気質が家族との軋轢を生む風刺喜劇・・みたいなテイで戦中派 #渋谷実 特有の悪辣な反=御都合主義が苦笑の卓袱台をひっくり返す。父の子殺し主題が寒気すら招く凄惨な幕閉じ。何なんだこの監督は! pic.twitter.com/0rkvf0p3t0
志村三代子・角尾宣信編『渋谷実巨匠にして異端』#読了。『本日休診』のペーソス、戦慄の『青銅の基督』、『現代人』に寒気やまず。この監督は何を目指したのか?悪辣と善良の振れ幅に捉えどころない #渋谷実 作風の核抉る知的極まる論考の腹落ち感 読み応え。香川京子さんインタビューも素晴らしい。 pic.twitter.com/bxHWJqAOL2
#奥様に知らすべからず 1937 物事ルーツを知る愉しさ。恐妻家の斎藤達雄と坂本武が奥様の面子のため決闘するハメになる現実浮遊感。登場すればヒドい目にあう鳥。笠智衆の扱い方。おじさん(二人)の紆余曲折を嬉々として描く #渋谷実 は、デビュー作にして紛う方なき渋谷実なのであった。もう最高だ。 pic.twitter.com/PnPShSeC3C
#をぢさん 1943 戦時体制下の人情噺。絶えぬ口喧嘩が可笑しい河村黎吉&飯田蝶子夫婦、近隣の子に饅頭を与えて危篤?って喜劇か悲劇か不分明な #渋谷実 節。近所づきあい勤勉さを奨励する道徳修身も匂わせつつ苦境にあって神頼みするしか能の無い"をぢさん"の姿に軍国世相の闇を重ねるその切れ味よ... pic.twitter.com/JmYGkZtBvo
#てんやわんや 1950 労働争議に揺れる都会vs民俗因習の根付く田舎の好対照舞台で佐野周二と淡島千景の色恋を追い、四国独立騒動が作意を超えて息吹く。原作者獅子文六の筆力か #渋谷実 の演出術のなせる業か、三島雅夫 藤原釜足 三井弘次らの狂騒アンサンブルはもうバフチン的ポリフォニーそのもの。 pic.twitter.com/QKsJ1x4LQB
#好人好日 1961 珈琲飲みたい奇人数学者。飲みすぎを禁ずる糟糠の妻。その押し問答へ割り込む大学関係者。果たして珈琲は振舞われるのか?笠智衆・淡島千景・織田政雄による珈琲おかわりサスペンスこそ #渋谷実 のトボケた味わい。笠智衆の浮世離れ具合がホントに数学の泰斗岡潔にみえてきて愉しい。 pic.twitter.com/GWe8kZC4dz
#酔っぱらい天国 1962 まったりホロ酔い鑑賞のつもりが陰鬱なGW後半初日に...。何しろ笠智衆の泥酔ぶり、酒席の事故で逝った息子の遺影を前にまさにその息子(の幻)と杯を交わすアル中おやじ笠智衆が呑み友のヘベレケ三井弘次に邪魔される。巨匠にして異端 #渋谷実 の意地悪が極まる この無慈悲の味よ。 pic.twitter.com/7UPW8exxws