【読み切り #3行小説】第1393回 「もしタイムマシンがあったら、未来に行きたい？ 過去に行きたい？」 と聞くキミに、「キミとの幸せな未来を見てみたい」と答えたあのとき。 今の僕は何て答えるだろう。キミと過ごした過去に戻りたい、とは言わないよ。 #ショートショート #タイムマシン #毎日更新

【読み切り #3行小説 】第1392回 季節が逆戻りしたみたいな冷たい空気が頬を撫でる。 庇うようにそっと頬に当てた手を包んでくれる温もりはない。 もう誰も、私を守ってはくれないのだと、今さら気づいた。 #ショートショート #ぬくもり #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1391回 知らなかった、と言えば嘘になる。だって、気づいていたもの。 突然の出来事、なんて思ってない。ずっと前からわかっていたもの。 もう、嘘をつくあなたは見たくない。だから、サヨナラ。 #ショートショート #サヨナラ #毎日更新

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【読み切り #3行小説】第1390回 言葉なんていらなかった。ただそばにいてくれれば、それでよかった。 ふとした瞬間に指先が触れ合って、そのままきゅっと握り合って。 お互いの存在が何よりも大切だと感じたあの日。今は遠いあの日。 #ショートショート #遠い日 #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1389回 いつもと違う朝、いつもと違う部屋。思わず周囲を見回す。 ここはどこだろう、と呟きかけた唇が止まる。隣で微笑む人を見て。 「おはよう」と言ったその人は、記憶の奥底に沈むあなただった。 #ショートショート #ゾッとする話 #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1388回 変わらないものなんてない。歳月は残酷だ。同じ気持ちではいられない。 永遠に続くと信じていたのは私だけ。立ちどまっているのは私だけ。 移ろうことない季節を漂い、彼女は醒めない夢の中に取り残される。 #ショートショート #変わらないもの #毎日更新

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【読み切り #3行小説】第1387回 いつかキミと見た景色。キミと歩いた道。キミと過ごした時間。 すべてはもう想い出の中。少しずつ薄れていく記憶の中。 「もう忘れていいんだよ」そんなキミの声を、僕は知らないふりをする。 #ショートショート #いつかのこと #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1386回 「曇り空がユウウツ、なんて誰が決めたの？」と彼女は笑う。 晴れでも、雨でも、曇でも、彼女の笑顔は太陽のように眩しかった。 あれから何年経ったかな。キミは今も変わらぬまま、僕の心にずっといる。 #ショートショート #晴れ晴れ #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1385回 「楽しいときは笑えばいい。悲しいときは泣けばいい。心のまま素直にね」 じゃあ、淋しくて寂しくてしかたのない夜はどうすればいいの？ 「僕に寄りかかればいいんじゃない？」あなたはそう言ったのに、ね。 #ショートショート #淋しい夜は #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1384回 あなたは少しずつ変わっていった。私を見つめる瞳から熱が消え、 言葉も笑顔も少なくなって、心はもう、ここにはないと思い知った。 だから、サヨナラは私から。これ以上あなたが、私の知らない人になる前に。 #ショートショート #心変わり #毎日更新

【読み切り #3行小説 】第1383回 お気に入りの音楽を連れて、ふらりと旅に出る。 あなたが教えてくれた、人生を楽しむ方法。 あの頃あなたと聴いたメロディが、私に寄り添ってくれる。 #ショートショート #音楽 #思い出のメロディ #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1382回 もう忘れてしまったよ。昔のことなど。きれいサッパリね。 本当はまだ覚えている。些細なことも。キミの仕草ひとつすら。 もうすぐキミに会えるかな。久しぶりだね、と笑ってくれるかな。 #ショートショート #再会 #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1381回 ため息をつくと、いつもそっとチョコレートを差し出してくれた。 そのやさしい甘さが、言葉よりもさり気なく私に元気をくれる。 気づけば、小さなため息がひとつ。今度は私がチョコレートを差し出そう。 #ショートショート #チョコレート #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1380回 意味のない時間がゆるゆると過ぎていく。だって、あなたがいない。 朝起きて、窓を開けて…後はもうすることがない長い長い一日。 夜が来て、星が瞬いても、私はひとりきり。もう、あなたはいない。 #ショートショート #喪失 #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1379回 ふっと集中が途切れると、何となくあなたの気配を感じた。 ほのかに珈琲の香りも漂ってきて、そろそろブレイクするか、なんて思う。 振り向けば、ただの暗闇。あなたの気配も珈琲の香りも消えていた。 #ショートショート #コーヒーブレイク #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1378回 「疲れたな」と彼女がポツリ。そんなときは空を見上げるといいよ。 「星も見えないな」と淋しげな声。今は雲に隠れてるけどちゃんといるよ。 「いつも見守っているから」と、懐かしい声が聞こえた気がした。 #ショートショート #星空 #懐かしい声 #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1377回 何もない暗闇に、小さな明かりがポッ、とひとつ灯る。 ふわふわと頼りなげに揺らぎ、ためらうように漂うそれに、 「大丈夫だよ」と微笑めば、一瞬キラリと光ってゆっくりと消えた。 #ショートショート #魂 #別れ #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1376回 夢を見た。私はひとり、見知らぬ街にいた。ぼんやりと佇んでいた。 すれ違う人はみな、足早に通り過ぎ、私を見向きもしない。 道端の石ころと変わらない私は、目覚めても、石ころのままだった。 #ショートショート #都会の片隅で #毎日更新

【読み切り #3行小説】第1375回 彼女はそっと瞳を閉じた。目の前の光景を見たくなかったから。 そして、耳をふさいだ。もう、ふたりの声を聞きたくなかったから。 私の世界からふたりを締め出した。明日からはひとりになる。 #ショートショート #私の世界 #毎日更新