#魯 の南の片田舎(いなか)に住む #呉慮(ごりょ)という男は、冬には陶器をつくり、夏には耕作し、自らを聖王の #舜(しゅん)になぞらえていた。#子墨子 はそれを聞いて、会った。呉慮が子墨子に向かって、「一にも二にも、義を行なうだけだ。口さきでいう必要はない」といった。【1】

#魯 の南の鄙(ひな)の人、#吳慮(ごりょ)なるものあり、冬は陶し、夏は耕し、自ら #舜 に比す。#子墨子 聞いて之を見る。吳慮、子墨子に謂う。義のみ義のみ、焉(な)んぞ之を言うを用いんや。子墨子曰く、子の所謂(いわゆる)義も亦力以て人に勞するあり、財以て人に分つありや。吳慮曰く、有り。【1】

#魯 の人で、その子を #墨子 のもとに学ばせていたものがあった。ところがその子が墨子の教を奉じ、戰爭に出て戰って討死を遂げたので、父は、それを残念に思って、墨子を責(せ)めた。 {責讓(せきじょう)は、なじることをいう}【1】

#魯陽の文君 曰く、「#魯 の四境の内、皆、寡人(かじん)の民なり。今、大都その小都を攻め、大家その小家を伐(う)ちて、これが貨財を奪わば、則(すなわ)ち寡人必ず将(まさ)に厚くこれを罰せんとす」【1】

#魯陽(ろよう)の #文君(ぶんくん)、#鄭(てい)を攻めんとす。#子墨子 聞きてこれを止め、魯陽の文君に謂いて曰く、「いま #魯 の四境の内、大都はその小都を攻め、大家はその小家を伐ち、その人民を殺し、その牛馬・狗豕(くし)・布帛(ふはく)・米粟(べいぞく)・貨財を取らしめば、いかん」。【2】

#孔子 はとうとう #衛 に行き、#子路 の妻の兄の #顏濁鄒 家に滞在した。 #衛霊公 は孔子に問うた、「#魯 での俸禄はどれほどであったか」。 答えて言った、「俸禄、#粟六万 です」。 そこで #衛人(霊公)もまた粟六万を支給し、厚遇した。 【顏濁鄒は衛の豪族で、六芸を修めたといわれる】【1】