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#大学の力学_惑星の運動編 106 ここまでで, ベクトル形式の #運動方程式 を立て #微分方程式 を「#ベクトル のまま」解き #保存量 ↑e を導出し 惑星の #楕円軌道(#ケプラーの第1法則) を証明できた. 途中で使った #角運動量保存 は #ケプラーの第2法則(#面積速度一定)と 等価である.
#大学の力学_惑星の運動編 105 惑星の #運動方程式 を立てる. ↓ ↓ 変形 ↓ (d/dt)↑e(t) = 0 ↓ ↓ 両辺を積分する ↓ #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')}/GM - ↑r/r ↓ ↓ 両辺と ↑r の #内積 をとる ↓ #楕円軌道 (#ケプラーの第1法則)
#大学の力学_惑星の運動編 104 r=k/(e cosθ+1) に r=√(x^2+y^2) cosθ=x/√(x^2+y^2) を代入 ↓ √(x^2+y^2)=k/{1+ex/√(x^2+y^2)} ↓ √(x^2+y^2)+ex=k ↓ x^2+y^2=(k-ex)^2 ↓ (1-e^2)x^2 + 2kex + y^2=k^2 ↓ {x+ke/(1-e^2)}^2 + y^2/(1-e^2) = k^2+{ke/(1-e^2)}^2 #楕円 の方程式.
#大学の力学_惑星の運動編 102 #LRLベクトル↑eの定義式の 両辺で↑rと #内積 をとって得られる r,θの式: e r cos θ = h^2 / GM - r ↓ r( e cos θ+1) = h^2 / GM = 定数k ∴ r(t) = k / ( e cos θ(t) + 1 ) e, k はある定数. θ が決まると,r も決まる. つまり ある #軌道 を表わす.
#大学の力学_惑星の運動編 101 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル の定義式: ↑e(t) = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')} / GM - ↑r / r 両辺で ↑r(t) との #内積 をとった結果… 左辺・↑r(t) = e r cos θ 右辺・↑r(t) = h^2 / GM - r ∴ e r cos θ = h^2 / GM - r r, θ の式になった!
#大学の力学_惑星の運動編 100 ↑e・↑r = |↑r×(↑r)'|^2 / GM - r ★ において, #角運動量保存 ↑L = m ↑r × (↑r)' = 一定値 を使うと, ある定ベクトル ↑h を使って ↑r × (↑r)' = ↑h と書けて ★ = h^2 / GM - r ※ |↑h| = h となる。
#大学の力学_惑星の運動編 99 #スカラー三重積 の公式 (↑a×↑b)・↑c = (↑c×↑a)・↑b で ↑a=↑r' ↑b=↑r×↑r' ↑c=↑r とおくと… ↑e・↑r = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')}・↑r / GM - r = {↑r×(↑r)'}・{↑r×(↑r)'} / GM - r = |↑r×(↑r)'|^2 / GM - r
#大学の力学_惑星の運動編 98 ↑e・↑r = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')}・↑r / GM - r この第1項の計算を進め より簡単化するには, #ベクトル解析 の #スカラー三重積 の公式 (↑a×↑b)・↑c = (↑c×↑a)・↑b および #角運動量保存 ↑L(t)=↑r(t) × ↑p(t)=m ↑r × (↑r)'=一定 を使う。
#大学の力学_惑星の運動編 97 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')} / GM - ↑r / r 右辺と ↑r との #内積 をとると… ↑e・↑r = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')}・↑r / GM - ↑r・↑r / r = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')}・↑r / GM - r
#大学の力学_惑星の運動編 96 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル の定義式: ↑e = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')} / GM - ↑r / r この式の左辺と ↑r(t) との #内積 をとると e r(t) cos θ(t) になる。 では,この式の右辺と ↑r(t) との内積をとると どうなるか?
#大学の力学_惑星の運動編 95 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル と 惑星の #位置ベクトル との #内積 をとる ↓ cosθが決まる ↓ θが決まる ↓ おかげで #極座標 を作れる なぜこういう流れになるか? 「#角度」を定義するのは,じつは難しい. 「内積」のほうがはるかに定義しやすい.
#大学の力学_惑星の運動編 94 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル である 定ベクトル ↑e と, 惑星の #位置ベクトル ↑r(t) との #内積 をとると… ↑e・↑r(t) = e r cosθ = e r(t) cos θ(t) ※eはある定数 となり, この r(t), θ(t) で #極座標 を設定可能になる。
#大学の力学_惑星の運動編 92 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e(t) は定ベクトルだから, この #ベクトル の向きは 「3次元空間内に固定されたまま ある一方向を常に向く。」 ということは…, この ↑e を「#座標系 の基準軸」として使える, という事になる。
#大学の力学_惑星の運動編 91 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e(t) が #保存量 であり, 定ベクトルである… …ということは, この #ベクトル の大きさについて | ↑e(t) | = e (ある定数) と書ける。 では ベクトルの向きについてはどうか?
#大学の力学_惑星の運動編 90 #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e(t) = {(↑r)'×(↑r×(↑r)')} / GM - ↑r / r について (d/dt)↑e = ↑0 …ということは, この #ベクトル ↑e は 一見すると時間の関数だが, 実際には時間変化せず 定ベクトルである,という事を意味する。
#大学の力学_惑星の運動編 89 #ケプラーの第1法則 の 証明の流れを復習: #運動方程式 を立てる ↓ ↓ 変形 ↓ #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル ↑e(t)={(↑r)'×(↑r×(↑r)')}/GM-↑r/r が (d/dt)↑e=↑0 を満たす #保存量 となる←★今ここ! ↓ ↓ 両辺積分 ↓ #楕円軌道 を導出
#大学の力学_惑星の運動編 88 ↑r×↑ṙ のついでに ↑r×↑r̈ を求めてみたり (d/dt)( 1/r ) のついでに (d/dt)( ↑r/r ) を求めてみたり… 自発的にガンガン計算しまくって 自分の手で日常的に「実験・確認」している人には, #LRLベクトル の導入は 天下りでなく,自然・必然となる。
#大学の力学_惑星の運動編 87 物理が得意な人は, 誰にも命令・強要されなくても 自分から進んでバリバリ計算する. ↑r×↑ṙ はどうなるだろう. ↑r×↑r̈ ならどうなる? (d/dt)( 1 / r ) はどうなるだろう. (d/dt)( ↑r / r ) ならどうなる? …のように 「実験的に手を動かす」.
#大学の力学_惑星の運動編 86 「#ベクトル の時間微分」 「#外積 の時間微分」などという 慣れない計算操作に出会ったら, まずやることは いろんな式をガンガン微分し 計算結果を試行錯誤で確認してみる事。 自分の手を動かして実験してみる という労力を惜しむ人は,実力も伸びない。
#大学の力学_惑星の運動編 85 ↑r/r という基本的な関数形を 時間微分するだけで, 惑星の #運動方程式 の右辺 つまり #重力 の項の #原始関数 が求まる。 そして,その右辺に合わせて 運動方程式の左辺も 「両辺で変形がそろうように ×(↑r×↑ṙ)しておこう」 という発想が生まれる。
#大学の力学_惑星の運動編 84 ここまでの式変形が 初見では巧妙・技巧的すぎて, 「どうしてこんな変形を思いつくんだ」 「#LRLベクトル ↑e の導入も,天下り的では」 と思うかもしれない。 でも,式変形の各ステップの 動機付けや発想法の部分を よく読みなおし,記憶しよう。
#大学の力学_惑星の運動編 83 #惑星 の #運動方程式 ↑r̈=-(GM/r^3)↑r 変形し (d/dt){↑ṙ×(↑r×↑ṙ)-GM(↑r/r)}=↑0 ↓ (d/dt){↑ṙ×(↑r×↑ṙ)/GM-↑r/r}=↑0 { } 内を ↑e=↑ṙ×(↑r×↑ṙ)/GM-↑r/r とおけば (d/dt)↑e=↑0 ↑eは #ラプラス・ルンゲ・レンツベクトル.
#大学の力学_惑星の運動編 82 #惑星 の #運動方程式 ↑r̈=-(GM/r^3)↑r 両辺に×(↑r×↑ṙ)し ↑r̈×(↑r×↑ṙ) = -(GM/r^3){↑r×(↑r×↑ṙ)} 変形 (d/dt){↑ṙ×(↑r×↑ṙ)} = GM(d/dt)(↑r/r) 整理 (d/dt){ ↑ṙ×(↑r×↑ṙ)-GM(↑r/r) } = ↑0 #保存量 が現れた!
#大学の力学_惑星の運動編 81 ここまでまとめ: #惑星 の #運動方程式 ↑r̈ = -( GM / r^3 ) ↑r 両辺に ×(↑r×↑ṙ) すると 左辺 = ↑r̈ × (↑r×↑ṙ) = (d/dt){ ↑ṙ × (↑r×↑ṙ ) } 右辺 = -(GM/r^3){ ↑r × (↑r × ↑ṙ) } = GM (d/dt)( ↑r / r ) 両辺を積分できる!
#大学の力学_惑星の運動編 80 もともと #惑星 の #運動方程式 の右辺に現れる -(1/r^3) ↑r およびそれを変形した -(1/r^3){ ↑r × (↑r × ↑ṙ) } の #原始関数 を得たいのだった. 前ツイで (d/dt)( ↑r / r ) = -(1/r^3){ ↑r × (↑r × ↑ṙ) } を得たので,原始関数は ↑r / r.
#大学の力学_惑星の運動編 79 (d/dt)( ↑r / r ) = ( 1 / r^3 ){ ↑ṙ r・r - ↑r ṙ・r } = ( 1 / r^3 ){ ↑r × ( ↑ṙ × ↑r ) } ★ ここで,#ベクトル解析 の公式 ↑b × ↑a = - ↑a × ↑b (#外積 の #交代性) を使うと ★ = -( 1 / r^3 ){ ↑r × ( ↑r × ↑ṙ ) } となる。
#大学の力学_惑星の運動編 78 簡単化したい式 (d/dt)( ↑r / r ) = (1/r^2){ ↑ṙ r-↑r ṙ } = (1/r^3){ ↑ṙ r・r-↑r ṙ・r } ① #ベクトル三重積 ↑b (↑a・↑c)-↑c (↑a・↑b) ② = ↑a×(↑b×↑c) ②で ↑b=↑ṙ ↑c=↑r ↑a=↑r とおくと ① = (1/r^3){ ↑r×(↑ṙ×↑r) }
#大学の力学_惑星の運動編 77 #ベクトル三重積 ↑b (↑a・↑c)-↑c (↑a・↑b) ① = ↑a×(↑b×↑c) #惑星 の #運動方程式 の右辺 (1/r^2){ ↑ṙ r - ↑r ṙ } = (1/r^3){ ↑ṙ r・r - ↑r ṙ・r } ② ①で ↑b=↑ṙ ↑c=↑r ↑a=↑r とおくと ② = (1/r^3){ ↑r×(↑ṙ×↑r) }
#大学の力学_惑星の運動編 76 #ベクトル三重積 から話を戻すと 今やりたい事は… (d/dt)( ↑r / r ) = (1/r^2){ ↑ṙ r - ↑r ṙ } の右辺を簡単化したい,という事. 公式 ↑b (↑a・↑c)-↑c (↑a・↑b) = ↑a × (↑b × ↑c) を使えば,差「-」を消して 1項にまとめる事ができる.
#大学の力学_惑星の運動編 75 ここまでで #ベクトル三重積 ↑a × (↑b × ↑c) = ↑b (↑a・↑c) - ↑c (↑a・↑b) について要約すると… 左辺「#外積 を含む式」(3重積) ⇔ 右辺「外積を含まない式」(2本の #ベクトル の差) の 相互書き換えができる! 右辺は和ではなく差にする事。
#大学の力学_惑星の運動編 74 #ベクトル三重積 の公式: ↑c=-↑c' として 逆方向の #ベクトル を考えれば, 「2本のベクトルの和」も差の形になり #外積 に変形可能. ↑b+↑c = ↑b-↑c' = ↑b (↑a・↑c')-↑c' (↑a・↑b) = ↑a×(↑b×↑c' ) = -↑a×(↑b×↑c) なる↑aが存在.
#大学の力学_惑星の運動編 73 ↑b, ↑c が既知の時, その差を #外積(3重積)に書き換え可能な ↑b-↑c ① = ↑b (↑a・↑c)-↑c (↑a・↑b) = ↑a × (↑b × ↑c) ② を満たす↑aの取り方は, 自由度1つ分の不定性がある. 2本のベクトル(①)を 1本,1項(②)にまとめられる便利な式.
#大学の力学_惑星の運動編 72 前ツイ補足 ac cosθ1=1① ab cosθ2=1② ↓ cosθ1/cosθ2=b/c③ θ2を決めると ③よりcosθ1=(b/c)cosθ2でθ1が決まる※|cos|≦1に注意 ②よりa=1/bcosθ2④ でaも決まる. ①③よりa=1/ccosθ1=1/{c(b/c)cosθ2}=1/bcosθ2となり④と等価 ∴①②の解a,θ1,θ2が決まる
#大学の力学_惑星の運動編 71 ↑b, ↑c が既知の時 ↑b-↑c = ↑b (↑a・↑c) - ↑c (↑a・↑b) = ↑a×(↑b×↑c) となるには ↑a・↑c=1 ↑a・↑b=1 を満たす↑aが存在すればよい. ↓ ac cos θ_1=1 ab cos θ_2=1 ↓ cos θ_1 / cos θ_2 = b/c θ_2を自由に決めれば θ_1とaが決まる.
#大学の力学_惑星の運動編 70 #ベクトル三重積 の使いどころ: ある2本のベクトル ↑b, ↑c がある時,その差を ↑b-↑c = ↑b (1) - ↑c (1) = ↑b (↑a・↑c) - ↑c (↑a・↑b) ※↑a・↑c=1, ↑a・↑b=1 を満たすある↑aにより = ↑a × (↑b × ↑c) と書き換えることは可能か?
#大学の力学_惑星の運動編 69 #ベクトル三重積 ↑a×(↑b×↑c)=↑b(↑a・↑c)-↑c(↑a・↑b) で -↑c=↑c' とおくと… 左辺 =-↑a×(↑b×↑c) 右辺 -↑b(↑a・↑c' )+↑c' (↑a・↑b) = -{ ↑b (↑a・↑c' )-↑c' (↑a・↑b) } 両辺の負号が打ち消し合い もとの公式と同じになる。
#大学の力学_惑星の運動編 68 #ベクトル三重積 ↑a × (↑b × ↑c) = ↑b (↑a・↑c) - ↑c (↑a・↑b) ↑ 右辺のマイナスを消したい…と思い -↑c = ↑c' と置きなおしても 右辺を「和」の形に変形することはできない! 和ではなく 必ず「差」の形でないと この3重積は成立しない。
#大学の力学_惑星の運動編 67 #ベクトル三重積 ↑a × (↑b × ↑c) = ↑b (↑a・↑c) - ↑c (↑a・↑b) ↑ この公式は 「左辺から右辺への変形」 (#外積 の記号を外す操作) が有名。 しかし,その逆で 「右辺から左辺への変形」 (2つのベクトルの差を1項にまとめる操作) も役に立つ。